福島原発での原因不明の停電より、南海トラフ地震を心配するNHK

  • 2013/03/19(火) 10:20:24

福島原発で停電事故があり、しかも原因がわからないということであった。万一に備え、満タンのためガソリンスタンドに行く前にその後の状況を知ろうと、朝7時のNHKテレビを見た。
冒頭から南海トラフ地震が起きたら被害額が220兆円にもなるので、その防止に多額の出費はペイすると受け取れるような内容であった。今後、地震対策に多額な土木工事を行われるのだろうか?各自治体や企業の対策も報道していた。

ところが原発被害やその対策報道が全くなかった。福島原発事故でも1号機からの放射能漏出は津波以前から起きていたという見解もあり、また震度7に耐えた原発はなかったという説もあり、南海トラフ地震で原発事故を全く想定しないことは一番重要なことを忘れているのではと思った。何故なら、村田元国連大使が言うように、地震により4号機の燃料プールの破壊から、連鎖して、ほかの原子力発電が事故を起こせば多くの人が日本を脱出せざるを得ないであろう。実際、オーストラリアに住むカルディコット小児科医は4号機爆発の恐れがあれば直ちに孫の住むニューヨークに飛び南半球に連れて帰ると公言している。これほど重要なことを無視してよいだろうか?

一方、東海大地震など40-50年前からまもなく起こるであろうといわれながら、未だに起きていない。東海大地震は南海トラフに包含されて衣替されたのだろうが、地震予知というのは今の学問レベルでは正確な予測は難しいようである。実際、阪路大震災も東日本大震災も予測されなかったのに起きた。

終わり頃になって、やっと福島第一原発での停電ニュースがあった。一番心配な4号機も4日間冷却されなくても大丈夫と説明された。また、原発事故後も度々停電が起きてきたが問題なかったことが報道された。

福島原発事故後の処理は現実に起きて対処の作業をしているのに、原因不明の停電が度々起きては大問題であるし、今回も今朝になっても原因がわからないとはあきれた。このような時は作業現場の最高指揮官の口からの説明を国民に伝えるべきと思う。少なくともいくつかの原因の可能性くらいは聞けるであろう。

フクイチからは毎時1千万ベクレルの放射性物質を空気中に放出し、更に海へは原発周囲に隔壁を作ることもせず垂れ流しであり、これでは将来太平洋沿岸各国からの巨額な賠償問題に発展しかねない。フクイチ事故の収束には東電まかせでなく国の総力をあげて取り組むべきだ。

核融合実験炉からの高速中性子の制御はできない

  • 2013/03/05(火) 21:15:32

タイトルの言葉を正確に書けば「核融合実験炉で発生する中性子のエネルギーは、原発・原子炉で発生する中性子エネルギーの10倍なので、それを防ぐ方法がない事が問題」という文です。岐阜県土岐市の核融合研究所が取り進めようとしている重水素実験において、放出される高速中性子の危険性について、ノーベル物理学賞受賞者の小柴昌俊元教授が多治見市長あての手紙に書かれたとのことです。

ブログに書きたいネタはいろいろあるが、戦線を広げては終始がつかなくなる思いがあり、原発事故後は放射線被ばくを中心に書くように心がけてきた。
しかし、どうしても本記事を書きたいという思いがあった。それは本主張が2002年ノーベル物理学賞受賞者の小柴昌俊先生がされたということです。

海外なら住民に被害の恐れがある場合には、著名な専門家が発信することはよくあることです。ところが、日本ではほとんどの場合において、専門家は住民と国の利益が相反すれば国にマイナスになるようなことに対しては沈黙する。発信するのは自分の研究領域が影響を受ける時ぐらいしかないであろう。

今回の原発事故において一例をあげれば、細胞膜は最外殻電子が一個の金属であるナトリウムイオン、カリウムイオンはそれぞれ独自のチャンネルを有するのに同じ一価のセシウムは専用のチャンネルが存在しない。従って、3者の細胞膜通過に関しての差は明らかであるにもかかわらず、今回の原発事故後、電気生理学者の発言を聞いたことがない。また遺伝学者、ゲノム研究者、生化学者からの発言もなきに等しい。
このような最近の現状において、著名な物理学者が住民のために声をあげたことは画期的な出来事であったので書く次第です。

中性子被ばくといえば、東海村での作業員が多量のウランをバケツに入れたために臨界反応が起こり、放出された中性子により作業員が死亡したことは周知のエビデンスである。
従って、10倍も速い中性子に被ばくすれば大変な事態になろうことは誰でもわかる。
また、特に今回は、東日本大震災の復興予算を使ってやろうとする便乗式であり、ドロナワ式に見えるので、実にケシカランことだと思う。

実験をするなら何より安全性に配慮すべきなので、ヒトが影響を受けないような場所で行うべきだ。また地震国日本で核融合実験を本当に安全にするごとができるか検討すべきだ。不適切ならば、日本でなく、海外すれば済む問題だ。
核融合エネルギーを目指してわが国も半世紀以上前から基礎検討を重ねてきたがほとんど進展がなかった。今ではフランスが一番(2011.9.11ブログに書きました)進んでいると思うが。それでも、まだまだ実用化には長い年月を要するであろう。

土壌セシウム99%除去技術、首都圏中小タッグで開発

  • 2012/12/30(日) 18:26:36

タイトルは今日の東京新聞1面記事からで記事は最下段の{ }内に示す。
放射性物資を消滅することはできないが移動ならできる。もし放射能物質を消滅とした記事ならインチキ<特殊な実験下では金でさえ作れるので、絶対のインチキでなく採算性まで考えた上での解釈において>であり紹介しない。

放射性物質処理の基本は濃縮であり、拡散ではない。濃縮すれば狭い場所にとどめられ管理が容易になる。一方、拡散しては放射性物質の管理ができなくなり、多くの住民が被ばくのリスクを負う。これは世界の常識であるのに、瓦礫焼却をして環境中に放射性物質をバラまき、世界の専門家から馬鹿か気違いかといわれているのが現状である。

このような時、基本に忠実な濃縮という行為は歓迎される。
新聞で99%除去したということは100倍に濃縮したことを意味する。本法はこれから福島で実証実験をするとのことで成功を祈る。

なお、今回濃縮で生じた保管施設が必要であり、早急な対策が求められる。福島原発近くの高濃度汚染地区では除染を諦め、保管施設にすべきだ。住民は町単位で新たな地区に移動し、その費用は全て国が負担すべきだが廃村になったところがあれば活用するとか、新たな工場団地を作るとか手段はいろいろあると思う。

{首都圏の中小企業が、北海道大とともに、土壌から放射性セシウムを除去する技術を開発した。従来の除染は土壌からセシウムを分離することが難しかった。新技術によって、被災地に積もった汚染物質を減らすことにもつながる。年明けにも福島県内で実用試験に入る見込みだ。
 土壌と固く結び付いたセシウムを分離するのは、埼玉県川口市の三央産業(平山善章社長)が開発した「ジェットバーナー」という装置。土や汚泥に高温で高速の燃焼ガスをあてて水分を飛ばし、同時に大半のセシウムも吹き飛ばす。
 極めて細い炭素の管「カーボンナノチューブ」を使ったスポンジが吹き飛ばしたセシウムを吸着する。北海道大の古月(ふうげつ)文志教授が開発した。セシウムを吸着するとされる顔料のプルシアンブルーと珪藻(けいそう)土も含まれている。
 ジェットバーナーで粉砕した後、通常のフィルターと特製スポンジの二段階でセシウムを取り除く。セシウムを吸ったスポンジは、押しつぶして体積を小さくできる。システム全体で99%のセシウムを取り除くことが可能だという。
 装置の価格は一日二十トンを処理できるタイプで二億円程度。運転コストは、人件費を別にすれば一トンの処理に三千円程度の燃料費ですむ。
 福島県出身の平山社長は「早く福島に持って行き、役立てたい」と話す。二つの技術を合体させたのは水処理装置を扱う企業、NSP(東京都港区)で、井戸康正社長は「体積が圧縮され、セシウムの濃度が高くなったスポンジを最終的にどこで処理するかが課題。最終処分場を早く決めてほしい」と話している。}

川俣町の子供は昨年6月から1年間に平均値で1.14mSv被ばく

  • 2012/12/11(火) 21:05:53

今日の福島民友ニュースによれば、<川俣町は9日、昨年6月から1年間を通じて町内の全小中学生、幼稚園児1329人を対象に行ったガラスバッジによる積算線量測定の結果を発表。平均値は1.14ミリシーベルト(自然から受ける平均線量を除く)で、全身に1度に浴びる線量が100ミリシーベルトを超えなければがん発生増加が認められないという国際基準を大きく下回っており、測定した近畿大は「放射線の影響は心配ない」と結論づけた。>と報道された。

この報道には問題が多いので個別事項ごとに分類し書く。
1.最も被ばくしたのは爆発事故から数か月であるので、6月から測定ではかなり低くなっているものと想定される。川俣町における空間線量の測定数値があれば、それ以降の川俣町の測定数値との比較から大凡の推定は可能であるので、事故後より6月までの被ばく量を算出すべきだ。また平均のバックグランド数値の根拠とその数値も示すべきだ。

2.全身に1度に浴びる線量が100ミリシーベルトを超えなければがん発生増加が認められないという国際基準を大きく下回っているという文章にはいくつものミスが重なっているので説明する。

2−1. 全身に1度に浴びる線量について:
放射線被ばくにおいて、低線量長期被ばくは加算されると言うのが世界の常識である。日本でも、食品安全委員会の意見交換会に出たこともあるが、当初は直接被ばくと内部被ばくを合算して一生涯に受ける被ばく量を100mSvと設定し、そこから年間1mSv案が出た。従って、この委員達の共通の認識は被ばく線量が加算されるということで一致していた。
なお、脇道にそれるが、食品委員会で現行の食品1kg当たり100ベクレルという基準が決まった経緯について説明すると、直接被ばく量の推定値は地域によって著しく違うし、経年的にも減少が見込まれたので、数値を出すのが困難なことと、基準が厳しくなることへの反発もあり、結局内部被ばくだけで1mSv/年案の採用となり、それを根拠に現行の食品基準が決まった。

2−2.100ミリシーベルトを超えなければがん発生増加が認められないか:
松崎道幸医師によれば日本の原発労働者の健康調査によると10ミリシーベルトで、癌が3%有意に増加するという結果が出ており、医療被ばくによる患者さんの追跡調査でも同じ結果が得られたということです。

2−3.感受性差の記述なし
新聞には書かれてないが、放射線の影響は細胞増殖の盛んなほど影響を受けることは常識であり、この大人と子供では感受性差は、Goffmann医師によれば5倍である。先月来日されたCardicott小児科医は感受性差を10倍と話していたように思う。子供の健康を問題にしているのに大人の感受性で論じるのはおかしい。

2−4.子供の呼吸による肺や食べもによる吸収による被ばくが説明がない
主にγ線による直接被ばくだけでなく、空気中を浮遊する放射性物質を吸入し、肺に取り込み被ばくすることと水や食品を介して腸から吸収される内部被ばくも受ける。
ECCR(欧州放射線リスク委員会)ではこの場合には100から300倍も被ばく影響が大きいと見なしている。

原発から飛散した放射性セシウム粒子の径と組成

  • 2012/12/01(土) 23:45:54

一昨日、放射性物質が運搬される担体や粒子径が分からないと書きましたが気になって調べましたら参考資料が見つかりましたので訂正し、放射性粒子の径と組成という項目を作りました。原発事故という突発的なできごとの後に行われる基礎的な検討であるために、最も必要な爆発事故後のデータ収集などほとんどされたことがなく、また実験で同じ事象を再現できるものではないことから、今後期待できるのは産総研が昨年11月までに捕集した放射性粒子の解析結果によるデータ追加くらいの様な気がする。
瓦礫焼却による放射性粒子の解析は、焼却をやめれば不要になることであり、そのための基礎データの収集研究費は、もっと建設的ことに使うべきだ。

●京大による予備試験
今年1月、小泉昭夫先生をトップとする京大チームが福島県成人住民の放射性セシウムへの経口、吸入被ばくの予備的評価というタイトルで下記URLに発表しました。
http://hes.med.kyoto-u.ac.jp/fukushima/EHPM2011.html
ここでは吸入被ばくに関するポイントのみを書きます。
<方法>福島市内に設置したアンダーセン式大気捕集装置を用いて、空気力学的直径の異なる大気粉じんをそれぞれ捕集した。調査期間2011年7月2-8日。
<結果>粒子径も0.46-3.3μm<実際はこの部分を4つに分けていた>の比率が最も高かった。従って、肺胞内に入り込む量もこの粒子径のものが最も多かった。
<私の感想>
この時期は爆発後4ケ月後にもなるので、彼らも推定しているように一旦沈着したものが再浮遊した可能性もある。京都から実験準備をして実施となると期間が遅れるのは止むを得ないような気もするが、原子力事故当時とはかなり違う可能性が高いと思う。

●産業技術総合研究所による粒子径および担体の解析
今回福島第一原発から160km強離れた場所にある産業技術総合研究所の環境管理技術研究部門、大気環境評価研究グループの兼保直樹主任研究員らが中心になって2011年4月28日より大気エアロゾルをサイズ別に分級して捕集し、放射性セシウム134Csや137Csを含む粒子の粒径分布と大気エアロゾルの主要成分の粒径分布を測定し、その報告書はEnvironmental Science and Technology 46(11), 5720-5726 (2012)に掲載された。
また邦文による概要は産業技術総合研究所内の下記URLで見ることができる。
http://www.aist.go.jp/aist_j/new_research/nr20120731/nr20120731.html#c
上記英文と邦文を読まれれば全容がお分かりになれますが引用箇所を「」内でくくり示します。 
「2011年4月28日より茨城県つくば市にある産総研つくばセンターにおいて、エアロゾルを13段階の粒径に分級し吸引捕集した。2011年4月28日〜5月12日に捕集した大気エアロゾルに含まれる137Csや134Csの放射線量を測定し、これらの粒子の粒径分布を測定した。」
⇒放射性物質捕集時期は事故後1カ月半後になるが、突発的事故後だけに随分努力されたようにも思える。昨年11月までの放射性粒子の捕集を続けた試料が残っているので、今後分析予定とのことで、4月から11月までの期間における違いがあるかなど、今後の分析結果に期待できそうである。

*137Csを含む粒子と134Csを含む粒子の粒径分布はほぼ同じで、大部分が空気動力学径(以下「粒径」という)2μm以下の微小粒子領域に存在し、0.2-0.3 μmと0.5-0.7 μmに極大値を持つ二峰性の特徴的な分布を示した(図1A)⇒この図はURLのをクリックすると見れます。

*担体については放射性セシウムは、硫酸塩エアロゾルに含まれた状態で大気中を輸送された可能性が高いが結論だった。

*本研究成果は放射性物質の拡散・沈着モデルの改善に資することで、実態解明の進展に期待されるとのことだった。

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