外部被ばくと内部被ばくの相違

  • 2011/05/26(木) 21:49:10

外部被ばくと内部被ばくの相違について整理します。
外部被ばくは体の外からの放射線なので放射性物質から放射される一方向の放射線しか体は受けないのに対し、内部被ばくは放射性物質が体内にあるため360度すべての方向に放射され、放射線がすべての組織を傷つけます。
体の外部に着いた放射性物質は払えば落ちますが、内部被ばくは放射性物質が物理的半減期の法則で減弱するか、体外へ排出されるといった生物学的半減期の法則に従って減弱することになる。また、外部被ばくは大気から全身にまんべんなく受けますが、内部被ばくは体内に入った放射性物質の粒子などの周りだけ強く傷つける。
そして放射性物質のちがいにより体内の組織への親和性が異なるため、たとえばヨウ素は甲状腺、ストロンチウムは骨など、体内のどこかに集まります。それで、内部被ばくは外部被ばくより何十倍も危険だと言われるます。放射性物質は空気中の塵として肺に、また水や食べ物の中に含まれて体内に入ります。

福島の子供は空気中に含まれる放射性物質からの被ばくを受けるだけでなくそこに生活していれば四六時中放射能に晒さらているわけです。
ところが1-20mSv/yと騒がれているのは外部放射線だけをカウントしているだけです。というのは先ほど森ゆう子議員のツイッターを見て、文科省の返事では内部被ばくの比率は2,3%としかないことを確認した。
子供は水を飲み、食事をし、土の上を歩き生きているわけなので、内部被ばくまで考慮し、さらに子供の感受性を掛け算すればこの直前のブログに書いたように30-600mSv/yとなってしまうわけである。

次にICRPの計算式の欠陥について書きます。

小学生の算数もできない政府とメディア

  • 2011/05/26(木) 13:26:59

今日NHKテレビを見ていたら外部被ばくで小学生の1−20mSvの問題を議論していたが、そこで欠落していたのは内部被ばく(10倍すべき)を無視していたことだった。内部被ばくを無視できないからこそ、ソ連でも1000台以上のバスで一挙に住民を移動させたわけである。チェルノブイリよりはるかに高濃度のセシウム137に汚染された地域があるのにそれほど深刻に考えられてないのは内部被ばく問題が全く無視されているからである。この問題については別途詳細に書く。
更に小さな子供では大人と違って3倍はすべきと思う。そうすると小学生の校庭における空間線量が20mSv/年は、内部被ばくを考慮し、感受性を考慮すれば最大600mSv/年となるので、大変なことであると思っていたところ、定時ニュース(9時か10時)の時間になり、産業経済省が東電に厳重注意とのニュースだった。
東電女性従業員が3mSv/年被ばくしたということを報じていたからである。
一方、小学生では内部被ばくを無視したとしても60mSv/年なので20倍も違うことになる。低い数値を罰し、高い方を容認するとは、支離滅裂な事態になったと思う。

株式総会に出席して

  • 2011/05/25(水) 23:09:58

今日地元スーパーの株主総会に出席した。
最近でこそ福島原発問題について盛んに書いているが、以前は証券会社の会員制のブログに書いていたのでどうしても、経済的なことを書いていた。

先代の社長に、新しい鉄道の開通に合わせて出店を薦めたら、返事をいただいてびっくりしたこともあった。しかし、用地買収を考えれば布石は既に何年も前に打ってあり、そういった経営者の先見性が、厳しい経済環境の中でも順調に業績を伸ばしたと思う。

今年の総会では発言しないで懇親会で話そうと思っていたのに携帯電話のバッテリーが切れて家とも連絡がつかなくなったのですぐ帰ることにした。それで質疑の時間に入るや、すぐ次の二つの発言してしまった。

世界最大の小売業のウオールマートはクリーンエネルギー政策を徹底的にとり進めている。その目的は社会貢献をうたっているかもしれないが、一番の狙いは自社の利益の追求で、例えばオリジナル商品では商品自身の軽量化、包装資材の軽量化など利益に直結している。御社も炭酸ガス削減とかリサイクルなど環境に力を入れてきているが更に先にあげたような視点もとり入れ進めれば一層利益向上に結びつくのではないかと話した。
二番目に福島原発からの海の汚染は、これからひどくなっていく一方と考えられる上、生物濃縮もあるので、これから時間が経てばたつほど悪化が懸念される。ところがセシウムだけでなく、公表されていない核種であるストロンチウムなどもチェックする必要があろうと発言してしまった。小売業者にストロンチウム90の測定まで要求するのは無理な要求かと話し途中で気付き、旨く表現できないで終えた。
後で考えたら消費者も私のような老人から幼児まで幅広いのでそれに合わせるため、老人には国の基準は満たすのは当然であるが、幼児妊婦のためにも安心できる海外産や西日本産なども置き、多様なニーズに合わせるべきと発言した方が良かったと反省した。

<引用はご自由に>

正確に記録し、開示すれば、不測事態にも的確に対応可能

  • 2011/05/25(水) 21:03:57

セシウム137が全国でわずか500g降下した国のある地方における報告書を読んでいる。語学や統計の問題から翻訳にはまだまだ時間がかかるが、今までのところ、実に緻密に検討されていることに感心した。
セシウム137の野菜、牛乳、穀物などから摂取した総量を推定し、摂取量のピークから7月後にある事象との間に有意差があることを見つけた。しかし、最大の欠点は線量と事象との間に用量相関関係がなかったことであり、問題視もされた。
しかし、低線量被ばくによる被害が理論的にも考えられるようになった現在では、本論文の価値も再び見直されている模様。
一方、セシウム137が先にあげた国の1万倍見当量(5000kg相当になるが公知された数字ではない)にもなるかもしれないという日本では正確な情報があまりにも少ないので、将来何か問題が生じても、時間的にも量的にも因果関係すら証明できなくなることを心配している。
ストロンチウム90に2万人も被ばくしながら、後世に役立つような情報を残せなかった半世紀前の失敗を再び繰り返すのではないかと懸念している。

低線量内部被ばく問題への対策こそ重要

  • 2011/05/22(日) 17:10:07

放射線障害は主にDNA損傷によってもたらされる
DNA損傷には3種類あるが、塩基切断と1本鎖切断の場合には対の1本が残るので修復は容易である。
ところが、2本鎖切断(DSB)の場合には元に修復するのが難しく、癌や遺伝病を引き起こす。以前は、高線量被ばくでは、損傷の程度が大きく、修復が困難であり、低線量被ばくでは修復が容易と考えられてきた。
ところが最近わかったことは、高線量被ばくでは効率よく修復できる機構(修復できないほどの損傷ではアポトーシスという機構で細胞死により徐去される)を備えているのに、1mSvの低線量被ばくの場合には、 逆に修復が遅いことが分かってきた。低線量被ばくの場合には、細胞分裂しない場合にはそのまま修復されることなく何日間もそのままの状態におかれることがわかった。
具体的数値で書くと、被ばくの瞬間に生じるDSBの数は被ばく線量に比例してできる。ところが、ある時間の経過後に残っているDSBの数は被ばく線量には関係ない。つまり1、2、5、20、200mSvの被ばくによってできるDSBは線量に応じて増えているが、DSBが多ければそれだけの数が速やかに修復され、結局、24時間後に残っている数は、いずれも細胞あたりDSB約0.1個(10細胞あたりDSB1個)という結果となる。低線量領域における実験では、線量の強さとの量的関係が存在しないことが明らかになった。
何故こんな細かなことまで書いたかというと政府の考えは、冷戦時代から続いてきた物理学者を中心としたICRP(国際放射線防護委員会)をよりどころにしているからである。
広島や長崎原爆にみられた高線量で主に外部被ばくであるモデルからの思考では、今回の低線量で内部被ばくが中心で起こる福島原発問題には適合しないことはやがて明白になるであろう。

<引用はご自由に>

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