野生化被ばく牛の放射能は筋肉1800ベクレル/kg

  • 2012/01/18(水) 20:47:07

福島原発から半径20キロの警戒区域内で野生化した牛のモモ肉の放射性濃度が上記タイトルの数値であり、今日の東京新聞23面に掲載された。

本測定は東北大加齢医学研究所の病理学部門の福本教授グループが実施したが、放射性セシウムの生体への影響に関する研究などほとんどなかっただけに、88頭の牛の測定結果が得られたことは、極めて貴重と思う。

放射性セシウム濃度は血液が60ベクレル/kgであり、牛のモモ肉には血液の30倍の濃度、舌と肝臓は約10倍であった。甲状腺については蓄積<チェルノブイリでは最近になり、大人の甲状腺がんが増えているということで、ひょっとして蓄積するかもと私も想像した>が心配されたがほとんど測定されなかった。
そのほかの核種ではガンマー線を放出する放射性銀(11月10日ブログに記載)は肝臓に、放射性テルルは腎臓に蓄積していた。また牛の胎児の各組織における濃度は親牛の各組織濃度より3割高かった。このことは胎盤を通して胎児に移行し易いことを示唆する。
なお、精子と卵子も凍結保存し、人工授精も行う予定とのことで遺伝子に及ぼす影響もわかり本研究の成果に対する期待は大きい。

島田市がれき試験焼却に関するアドバイス

  • 2012/01/15(日) 13:24:09

静岡県島田市のがれき試験焼却につて、焼却灰の分析をして是非を問うようにも取れる新聞報道だったのでその問題点について書く。

まず焼却がれきの放射能を正確に把握することが求められる。この測定がいい加減だと全体が狂う。従って、放射線測定の専門家も当然関与する必要がある。例えば同一瓦礫を複数の専門家が測り、測定誤差を求めておくことが重要である。その結果、測定誤差が大きければ、瓦礫を細く壊すとかあるいは、無放射性瓦礫に一定量の放射性セシウムを混ぜる必要なども考えられるであろう。

燃えた場合の最も重要なことは空気中に飛散する量がいくらあるかである。しかし、この空気中への飛散は測定が難しい。
放射線物質の線量は焼却温度によって影響を受けないので、引き算が可能である。
即ち、焼却灰における量と除去フィルターに捕捉された量を引き算することにより飛散する量を算出することが簡単で良い方法に思える。

従って、焼却灰の濃度が低くて、捕捉量も少なければ、大半は飛散したことになり、これこそが世界のヒトが最も恐れる問題である。
もし、島田市の試験焼却を考えたヒトが焼却灰の濃度が低ければ良いともし考えたなら、その思考は正反対である。

捕捉されず空気中に飛散した場合、風の影響も大きく受けるし、拡散続ける気体濃度から全量など計算できないであろう。流体力学の知識のある放射線専門家の知恵で解決できればよいが。

焼却機の性能、捕捉する部位の空気の温度など詳細なデータの公表も当然必要である。
世界の核専門家を納得できるだけのデータを提示する必要がある。
実施する前に測定方法なども公表すべきである。
都合のよい結果が出たら公表するようならことをしたら、世界から信用されないことは自明である。

ホールボディカウンター計測数値は実測値で示すべきだ

  • 2012/01/13(金) 23:34:15

ある放射線専門家が「福島の住民80人をホールボディカウンター(WBC)で
計測したら0.25ミリシーベルトなので全く心配いらない]といった。このわずかな言葉の中に間違いや、不正確さが一杯なので吃驚した。

●まずホールボディカウンター(WBC)で放射性セシウムを計測した場合の数値はガンマー線のベクレル値であって、シーベルトではない。外部被ばくの場合にはベータ線の影響は小さいので省略してもかまわないが、内部被ばくの場合にはベータ線の被ばくが主でそれに較べればガンマー線の影響は副次的にしか過ぎない。従って、WBCによる計測結果は国際的にもベクレルで表示される。なお内部被ばくの場合、放射性物質の体内での局在位置により変わりるのでシーベルト値など算出できない。

国際放射線防護委員会(ICRP)は早い段階から、数値化困難な内部被ばく問題を無視してきた。

一方、欧州放射線リスク委員会(ECCR)は臨床症状を中心に観察することにより、内部被ばくの被害の大きさは、ICRPによる外部被ばく計算の数値を300-1000倍する必要があることを主張している。
従って、ベクレル表示が基本であるべきで、シーベルト表示の場合はどのような計算式で算出したかを明らかにすべきである。

●福島の住民80人といっても、福島は広いので降下量が東京と同等か少ない地域もあり、100倍も多い地域もある。
従って住民を被ばく量ごとにグループ分けて平均化すべきである。例えば30,10,3,1,0.3マイクロシーベルト/hごとに分けるのも一法であろう。
WHCは台数が極めて少なく、1日に測定できる人数も少ない、もう事故から10ケ月過ぎたがどれほどの人数実施できたろうか? こんなにノロノロ測定していたら,いつ全員の測定が終了するのだろうか?
時間がかかるWBCを止めて尿検査にすべきである。多人数を簡便で安価にでき得られる情報価値も大きい。何故、尿検査を急いでしなかったろうか?

瓦礫拡散政策推進が可能なのは市民レベルでの専門知識の欠如だ

  • 2012/01/09(月) 18:34:30

タイトルは、海外から見た日本への見解(参考資料1)である。
何故なら、民主主義国家においては「安全」とする政府や自治体に対して、根拠をもって「それは間違い」と反対できる知識があれば、拡散は容認されない筈である。

放射能の影響が日本にとどまるだけならば自業自得と第三者の立場に立てるかもしれない。
しかし、放射能の場合、影響は日本だけに限定されなく世界規模で影響が及ぶ。一番影響を受けるのは偏西風の関係でアメリカおよびカナダの西海岸地域である。これら西海岸地域では福島原発由来の放射性セシウムが微量であるが牛乳で既に検出されている。アメリカでは福島原発由来の放射性微粒子により1万4千人が過剰に死亡した可能性があることが、査読を受けた学術誌に掲載された。彼らは今非常に神経質になっている。更にはチェルノブイリの事故を経験したヨーロッパ各国でも注目している。

瓦礫焼却による放射能の再拡散により世界的規模での被害を受けるとする核専門家(参考資料2)および市民も反対署名活動を活発化(参考資料3)させてきている。

政府機関が論理的な反証や第三者が検証可能な実証試験成績を公開できないまま、福島住民の受けた放射性被ばくの痛みを全国民が分かち合うという目的で進めるならば、影響を受ける世界の市民は何故我々が福島市民の苦しみを味合わされなければならないのかと反発(その結果としての輸出規制や観光客減少)は必至である。

以上書いたことは私の考えでなく世界の現状を紹介したまでである。

参考資料
1.http://d.hatena.ne.jp/eisberg/201111
2. 音声は英語だけなので日本語訳を参照ください。後半に書いてあります。http://ex-skf-jp.blogspot.com/search/label/%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%83%8B%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%AC%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%BC%E3%82%BB%E3%83%B3
3.
http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=WFSFDMiWVz

焼却灰の放射性セシウムはヌケ殻だ

  • 2012/01/09(月) 10:10:12

今日の新聞に「S市の焼却施設では、----一般廃棄物の可燃物を超高音で溶融し、溶融残さを(スラグ)はアスファル合材などに資源化。セシウムは溶融によって飛灰に濃縮され---飛灰の放射性セシウムの濃縮率は1キロ当たり400ベクレルほどになり、環境省の基準では1キロ当たり8000ベクレル以内の灰はそのまま処分場への埋め立てが可能。」の記事があってびっくりしたので書く。

記者はセシウムが風呂の湯より低い温度で溶けることも、超高温でなくて761℃で気化することも知らなかったのではと勝手に想像した。

10万ベクレルの瓦礫1トンを燃やして残りの灰の総ベクレルが4000ベクレルならば残りの9万6000ベクレルが空気中に飛散したことになり、極めて危険なことになる。S市はお茶の産地でありその面の心配もあるが、何より大きな影響は内部被ばくによるベータ線の影響であり、この影響はICRP基準でもシ−ベルト換算できず、ガンマー線の影響だけがシーベルト値として表れているだけであることを胆に銘じなければならない。

原子核は高速の中性子を衝突させれば変化するだろうが単なる温度では何万度でも変化しないので、放射性セシウムの焼却前後のベクレル数の総和は小学生の算数で計算できる。

上述のように理論的に放射性瓦礫焼却は第二のミニ原発事故と同じ結果が起こると世界の専門家が危惧しているわけなので、実際に焼却する焼却設備で実証試験をし、安全性が確認されるまで実施すべきではない。

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