福島の女性が歌う文部省唱歌「ふるさと」が反原発の歌?

  • 2012/02/19(日) 01:10:51

院長の独り言のブログを見ていたら経産省前テント撤去命令緊急抗議集会(2012年1月27日)の解散時、何人かの女性たちが自然発生的に歌い出した歌とのことだった。

私も子供の頃を思い出し、しみじみと聴いた。 故郷を失った福島の女性たちが、強い望郷の念にもかかわらず、いつ叶うかわからない帰郷、悲しさ、悔しさに満ちた歌と思った。戦前から小学校唱歌であり、反原発の歌詞など何ひとつないが、それにもかかわらず、私が感じたと同じように多くのヒトにも、このような思いを二度と繰り返してはならないとの思いを抱かせる良い歌と思った。
奥ゆかしい日本女性だからこそ、自然発生的に唄えたと思う。

以下院長のブログから引用させていただきました。
「故郷」の歌詞
1.兎追いし かの山
  小鮒釣りし かの川
  夢は今も 巡りて
  忘れがたき 故郷
2 いかにいます 父母
  つつがなきや ともがき
  雨に風に つけても
  思いいづる 故郷
3 こころざしを はたして
  いつの日にか 帰らん
  山は青き 故郷
  水は清き 故郷

歌はhttp://takurou.co-site.jp/syoka/hurusato.htmlで聞けます

男2000mSv/年まで不妊に影響なし、報道の根拠は?

  • 2012/02/14(火) 19:32:07

2月11日付き東京新聞朝刊4ページに、妊婦と乳児と放射線という記事があった。その中に不妊が心配されるのは一度の被ばくでは数千ミリシーベルト、何年間にもわたる被ばくでは女性で年200ミリシーベルト超、男性は2000ミリシーベルトという記事が書いてあって、最近の知見を無視した、古典的な報告に基づく記事ではないかとびっくりした。

その後特に意見もなかった模様なので書くしだいです。
<そういえば、昨年4月チェルノブイリ原発事故から25周年を記念する学術集会があったが、海外に住む日本人は除き、日本からの参加者は誰もいなかったそうである。一方、アメリカで行われた神経学会には数えたわけではないが3桁近くの日本人が行ったのではなかろうか?>

この記事以外でもほとんどのメディア関係者は、内部被曝と外部被ばくでは被害の大きさが全く違うことを知らない。核種(ガンマー線、アルファー線、ベーター線)が生体内に取り込まれればその核種の種類ごとに分布する臓器が異なるので、ベクレルとシーベルトの計算式は使えない。ベクレルからシーベルトの計算は人間を均質な袋とみなして計算したものであり、DNAもわかっていない時代に、物理学者が不可能なことを無理に単純化して計算しているに過ぎない。その後アルファ線では20倍の係数をかけるとか一部改良が付け加えられたが、最新の生物学の知見が考慮されていないので本質的には変わらない。

このことは国際放射線防護委員会(ICRP)の科学部編集局長(Scientific Secretary)を20年務めたJack Valentin博士が辞任直後の2009年にICRP説では内部被ばくを900倍も過小評価している可能性のあることを認め、同氏はICRPモデルを原発事故に適用することはもはやできないと告白(参考資料1)した。実際にもICRP理論は欧米の被ばく裁判で40連敗を続けていることが、古典的な破綻した理論であることの何よりの証拠である。

内部被曝による影響は、外部被ばくより、はるかに大きいが、まだ研究が進んでないので定量的に示せないことが最大の欠点である。
よって、ここでは外部被ばくに限定して批判する。
外部被ばくに関する影響に関しては宇宙飛行士についての安全性研究が最も進んでいるのでその例から説明する。

宇宙飛行士の被ばく管理は徹底しており、年齢別、性別、臓器別に被ばく量(参考資料2)が管理され、宇宙飛行士になった年齢によって被爆総量が決められている。

27−29歳で宇宙飛行士になったヒトの生涯被ばく線量の上限は男女とも600mSv/引退時まで、である。
 30-34歳では男が800mSvで、女が900mSv
 35-39歳では男が900mSvで、女が1000mSv
40歳以上は男が1100mSvで、女が1200mSvである。
年齢が高くなれば放射線に対する感受性が低くなるので総量は多く設定される。
なお、上述の被爆総量の上限はがん発症の確率が約3%を目安に決められる。
ということは宇宙飛行士になるのは自由意志でなるので、宇宙飛行士になれば生涯で癌になる確率が3%上がることを納得した上で応募したことになる。

宇宙飛行士になるには長い厳しい訓練が必要であり、若くても27歳になってしまうのでそれ以下の年齢における被爆総量を設定する必要がないので、これ以下の年齢での表示はなかった。

算出には理論的根拠があるはずだが、私は知らないので想像すると、もし、10代の宇宙飛行士が誕生したとしたら100mSv台の値が提示されるかもしれない。更に赤ちゃんが宇宙に飛び立つとして、生涯の被ばく線量(生涯ガンになるリスクを3%に設定)を計算すれば何十mSvの値が算出されてしまうように思う。

新聞記事の2番目の問題は被曝年齢による考慮が全くないことである。
メディア関係者は脊髄反射を繰り返すのではなく、たまには自ら考えて、この私の想像に意見をいただきたい。

次に実際の事例からの考察をする。昨年の22日と29日ブログを御覧ください。
母体から赤ちゃんまでの頃については院長の独り言(参考文献4)をお読みください。

チェルノブイリ原発事故処理でかなり被ばくした作業員が、その後結婚して生まれた子供は自身がほとんど被ばくしてないのにもかかわらず、子供の白血病が6-10倍も増加した。即ち、遺伝子障害を受けた精子を介して起こることを意味する。またロシアのDubrova医師はイギリスの科学誌(参考資料3)にチェルノブイリのセシウム汚染地域のヒトに遺伝子突然変異が多くみられることを報告した。

この現象を遺伝子レベル(ミニサテライト)で解明(参考資料5)したのは日本人の中込先生です。

またイギリスのセラフィールド にある使用済核燃料の再処理工場に勤務する人たちの子どもには白血病が多かった。その発症率は父親の吸収線量に相関していた。なお、子どもたち自身は放射線に被ばくを受けなかった。

以上のように放射能被ばくによって父親の優先遺伝子が損傷されると子どもに病気が現れる。しかし、劣性遺伝子が損傷を受けても表面的には何の異常も起きないが、子どもの遺伝子に受け継がれていき、後世代に、劣性遺伝子同士が結婚した時に初めて出現することになる。

このように両親の遺伝子の中で表面に現れるのは優性であり、劣性は現れないが、遺伝子プールの中に温存されて継代されていく。そして、将来劣性遺伝子同士が結婚すればその時に表面に出ることになる。

また一人の人間と別の人間は大体300万箇所(総数は30億個)違いがあるので、個人個人にとっての違いに神経質になることもなかろうかという考えも起きて当然と思う。その考えは被ばく者が少ない場合は何世代にも経る間に集団に埋没されてそのまま消滅してしまい、自然発生率と同様になるかも知れない。

ところが今回のような広範囲な被ばくを受けた場合には、チェルノブイリの事故が参考になるであろう。ベラルーシでは、25年経った現在でも「健康な子どもがわずか2割しかいない」という現実を直視し、向きあう必要があろう。

参考資料
1. http://vimeo.com/15398081
2.http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/gijyutu/004/006/shiryo/04121401/007.pdf
3. Nature:380:683−6,1996
4. http://onodekita.sblo.jp/article/48387629.html
5. http://web.mac.com/nakagome1/iWeb/Site/4440B23E-F002-4547-84F0-F0B0DDD9BECF.html

カリウム40被ばくはバナナの摂取量と関係なく常に一定

  • 2012/02/05(日) 23:13:23

タイトルの言葉は生理学を勉強した者なら、誰でも知っている最も基本的な基礎知識である。
しかし、なぜ書くかというと、最近、被ばくを避けるためにバナナを食べないヒトが増えたとの記事を読んだからである。

生物が地球上に誕生した時から30億年以上、この二つの内部被ばく物質(もう一つは放射性炭素14)の影響を受けながら生物は進化を続けた結果,約20万年前に人類が誕生した。
天然に存在するカリウムの0.01%強をK40が占めており、この比率は一定である。

またカリウムは生命の維持に必須であり一定濃度になるように腎臓で調節している。それゆえ、バナナをいくら食べても食べなくても一定濃度が維持されている。この恒常性が維持できなくなった時は死(カリウム濃度が低くても高くなっても心停止に至る)である。従って、バナナを沢山食べようが食べなくても、ヒトは誰でも約67ベクレル/kgのカリウムイオンの被ばくを常に受けている。

腎臓で一定濃度を維持するメカニズムは限外濾過という方法で行われている。すなわち体に必要なものを認識することは容易であるが不要なものを認識するのは大変なので、糸球体で一旦全ての低分子化合物を排出し、必要なものを必要な量だけ再吸収することになる。この機構に異常が起きて高カリウム血漿になれば心電図上でも変化が起こり、数値が著しく上がれば心室細動が起こる。

一方、カリウムの摂取が極端に少なくなるか腎機能障害で低カリウム血漿になると相対的にも細胞外のカリウムイオンは少なくなり、過分極状態となり細胞の興奮(脱分極といい、筋肉の収縮前に必須)が起こりにくくなり、まず不整脈などが起こる。
バナナを食べなくても野菜や多くの食品にカリウムは含まれているので即不足になるわけではないが、逆にいくら食べても体内のカリウム濃度が上がることはないということである。

以下は細かなことになるので、特に興味のある方以外は飛ばしていただいて結構ですが、ついでですので書きます。

細胞内にはカリウムイオンが多量に存在し、一方、細胞外におけるカリウム濃度は低い。このことにより静止時の細胞内の電位は細胞外の電位に対し−60〜−90ミリボルト(mV)が保持されている。

周期律表でカリウムより一段上にあるのがナトリウム(放射性物質の同位対はない)であるので両元素の最外殻軌道の電子はひとつしかないが、細胞の通る通路は別で。ナトリウムチャンネルを通る。細胞内外の存在も逆で、細胞の興奮時の動きもカリウムイオンとは逆である。

次に周期律表で二段下にあるのがセシウムである。セシウムはカリウムより二回りも大きいがセシウムの通るチャンネルは存在しないのでカリウムイオンチャンネルを通過することになる。ただし、原子径が大きいために通りにくくカリウムイオンの15%しか通らない。チャンネルはタンパク質でできているので、セシウムのほうが同じ線量でもより強い損傷を与える可能性もある。
なお、ナトリウムチャンネルはナトリウム原子だけしか通さないのでカリウムイオンや、セシウムイオンは通らない。

細胞膜に存在するカリウムチャンネルも厳密にいうと4種類あり、特に静止膜電位の維持に関与している内向き整流型チャンネルが影響を受けるとAED(自動体外型除細動器)で刺激を与えてももはや心臓は収縮しなくなる。

鳥の被ばく影響は福島がチェルノブイリより大きい

  • 2012/02/04(土) 09:58:16

タイトルは昨日(2月3日)のイギリスの新聞Independent紙(参考資料1)のインターネット速報版に掲載された記事による。

日、米、デンマークからなる研究チームはチェルノブイリ原発周辺ならびに福島原発周辺に生息する共通の鳥14種類を選び、その影響を調べた。その結果について、Timothy Mousseau 氏と Anders Pape Moller氏は次のように述べた。

鳥の脳の縮小や雄の生殖能力や寿命などの影響が大きい。また多くの種におけるDNA変異率の上昇、昆虫の寿命の有意な減少を認めた。
上記に関する詳しい記事は、環境問題の専門誌(the journal Environmental Pollution)に来週号に掲載されるとのことである。

なぜ福島の原発事故はチェルノブイリ事故より大きいかについての放射線関係面からの記事は同紙の昨年8月の記事(参考記事2)を参照されたい。

上記の結果を日本における専門家、政府、自治体、政治家及び住民、すべての日本人は無視できないはずである。
なぜなら温血動物である鳥に起こることは人間にも起こることである。除染作業、高度汚染地区の帰還運動も再検討すべきことを示唆するほどの大きなインパクトを与える記事であると信じる。

参考資料
1. http://www.independent.co.uk/news/world/asia/bird-numbers-plummet-around-stricken-fukushima-plant-6348724.html
2. http://www.independent.co.uk/news/world/asia/why-the-fukushima-disaster-is-worse
-than-chernobyl-2345542.html

文科省審議会早くも骨抜き、乳児用食品は100ベクレル答申

  • 2012/02/03(金) 23:53:41

「厚生労働省の諮問を受け、食品の放射性セシウムの新基準値案を審議していた文部科学省の放射線審議会(会長・丹羽太貫京都大名誉教授)は2日、乳児用食品と牛乳について、1キロあたり50ベクレルを100ベクレルに緩めてもよいとする答申案をまとめた。次回に最終案を厚労省に答申する。
 審議会では「乳児も含めどの年齢層でも、1キロあたり100ベクレルの食品を摂取し続けても、年間被ばく限度の1ミリシーベルト以内に収まる」との意見が大勢を占め、子供の健康は十分に守られるとの見解で一致した。新基準値案は農漁業生産者に厳しすぎ、被災地の復興にも影響を与える可能性があるとの意見も出た。」

12月21日ブログに「食品などのセシウム新基準の提示に対し、一歩前進ということで賛成意見を書い。その中で乳児用食品50ベクレル/kgは基準が甘すぎると思う。」と書き。その理由として次の2点をあげた。

細胞新生が盛んなため、大人よりはるかに被ばくの感受性が高いこと。もう一つは、乳幼児は乳幼児製品しかとらないことが多いことにある。そのため、放射線に汚染されない食品を摂取できる大人とは異なる。
それが新基準を示す前に100ベクレルに緩められてしまった。今回生産業者に配慮したという記述もあったが、最も重要視しなければならない乳児を軽んじる国に明るい未来があり得ようか?と暗い気分になった。

本来外部被ばくと内部被ばくでは同じシーベルトでも被ばくの影響は全然違いECRRでは300倍以上違うと主張している。この違いなど日本ではほとんど理解されてないので、今後も主張していかねばと思う。

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