放射性ヨウ素甲状腺癌対策の第一歩は被ばく線量の把握

  • 2012/04/11(水) 10:27:34

チェルノブイリ原発事故後の小児甲状腺がんが3,4年以降観察されだしたから日本でも急ぐ必要はないとの見解があるが、その考えを持てば未曾有の大惨事になる可能性がある。

理由は至極簡単である。チェルノブイリの場合、かなり高所で爆発したので放射性ヨー素は広範囲に分布したのでその分濃度は薄くなることになる。
今回の福島原発事故では原発1,2,3、4(プールの核燃料棒)号機とあり、しかも放出は水素爆発、ベント及び核爆発(公表されてないだけで専門家には常識)と3種類もある。核爆発以外は低空での放出であり、局所的に極めて高濃度の放射性ヨー素のプルームが襲った可能性がある。
この時期の一番高濃度の分布状況は未だに公表されてない。一刻も早く公表すべきである。このことが対策の第一歩である。

例えば弘前大学の医療チームが福島県の大人の吸入量から小児甲状腺の等価被曝量を推定したところ、一歳児なら約800mSv(10日ほど前のNHKのETV特集で)という驚くべき数値だった。このような高濃度の被曝をした子が実際に存在していたなら、重症化が想定されるので、全力をあげて高濃度分布地域を特定し、そこで過ごした子供を探し、とりあえずはエコー検査をすべきだ。従って、高濃度汚染地域の場所と時間およびそこで過ごした子供の発掘という作業がまず必要だ。なお、情報を隠蔽工作をすることは、犯罪行為と私は思う。

次に福島県で実施した小児甲状腺エコー検査では実に3割の子供に甲状腺異常が見つかったが、すべて良性と判断された。しかし、チェルノブイリにおける潜伏期間から類推することは間違いの原因になろう。というのは福島とチェルノブイリでは被ばく状況も全く異なるので、チェルノブイリから潜伏期間を類推することは危険である。甲状腺がんの場合数%と率は低いが、もし未分化甲状腺癌という、極めて増殖速度の早いものもある。高濃度被ばくということから、万一、このような状態になれば、潜伏期間という考えはあてはまらないであろう。もちろんチェルノブイリと同じような推移を辿る可能性があることも否定しないが。

良性との判断根拠が提示されていないのでよくわからないが、日経メディカルの記事ではこの時期の検査は対照という表現があった。もしそうならば、山形県や秋田県の汚染が低い地域のこどもの甲状腺エコー検査を実施し、福島の子供との対比をすることでしか対照群は得られない。なぜなら、被爆後の子供を検査し、対照群とするなど、そんな国は世界のどこを探してもありえない。

次に福島の甲状腺に異常が認められた子供の次回の検査は2年後とされているが、そんなに待っては手遅れの可能性が高く、半年から遅くても1年以内に再検査を実施すべきと思う。

日本学術会議からの提言をメディアは無視した。

  • 2012/04/10(火) 18:51:06

4月10日の東京新聞朝刊を注意深く読んだつもりなのに、「放射能対策の新たな一歩を踏み出すために ―事実の科学的探索に基づく行動を―」という表題のもとに、6項目からなる提言の記事はどこにもなかった。

そこで、図書館に行き、読売新聞、朝日新聞、日経新聞をみたが、見当たらなかった。
毎日新聞だけが簡単に書いてあったが6項目の説明もなく、「除染帰還後も必要、5年継続で累積線量半減」という見出しの後にそれらの説明が主なものであった。完全に矮小化した記事であり、この記事を読んでも具体的な問題がわからず、福島原発事故の何が問題なのか論点もぼかされたと思い、残念だった。

例えば甲状腺がん問題に直結するところのヨウ素の内部被ばくついても次のように述べている。
「イ 事故後初期のヨウ素の内部被ばく
事故後 1 週間〜1ヶ月程度までは、131I の内部被ばく、外部被ばくの寄与が相対的に大きいと考えられるが、当時の大気中のヨウ素濃度、空間線量に占めるヨウ素の寄与に関する実測データが十分にはない。地域別の評価を行うには空間分解能の高いシミュレーションが必要である。また、事故直後に線量の高い地域の住民に対して行われた甲状腺被ばくの検査データ、ホールボディカウンター(以後、WBC†)による全身被ばく量の測定データなどについて、精査が必要と考えられる。なお、甲状腺という臓器固有の被ばく量(等価線量)と、全身について評価する実効線量を適切に使い分けることが必要である。」

46ページにもわたるPDF文書であるが、図とともに多くの参考文献も載せてあり、私も読んで勉強しなければない点も多々あります。皆さんも下記URLをクリックし、ぜひご覧下さい。
http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-22-t-shien4.pdf

太平洋戦争ではメディアの言う通りに国民は動いたが、情報原は一元化されていた。現在はインターネット時代である。国民がメディアを動かすことも可能であろう。
メディアに脊髄反射(spinal reflex)の如く反応するのではなく、前頭前野(frontal cortex frontal area, ヒトとサルでもこの部位だけは大きく異なる)をフル稼働させて対処しないと福島原発事故は未曾有の大惨事に至る可能性がますます高まるであろう。

放射能対策はエビデンスの科学的探索に基づく行動を!

  • 2012/04/10(火) 00:54:36

タイトルは私のブログのモットーであるが、やっと日本の科学者達が立ち上がった記念すべき日である。
今日、4月9日、日 本 学 術 会 議 の東日本大震災復興支援委員会の16名の委員および26名の協力者の連携により、「放射能対策の新たな一歩を踏み出すために ―事実の科学的探索に基づく行動を―」という表題のもとに、6項目からなる提言(参考資料)を行った。
日本を代表する科学者たちによる合作であり、このような提言をまとめることができたことで日本の将来に明かりが灯ったように思えた。
政治家、メディア、企業関係者だけでなく、できるだけ多くの皆さんに読んでいただきたいと思う次第です。

提言1:
政府・自治体は、既に放射線被ばくを受けた人、特に子どもや胎児の健康を守るために被ばく線量の推定と住民健診・検診を継続して実施するべきである。またその実施のために、甲状腺超音波検査や血液検査のできる体制を構築し、さらに万一、健康異常を発見した際には、住民が速やかに適切な治療を受けられるよう、地域での医療体制を整えるべきである。

提言2:
政府・自治体は、住民帰還・除染作業などで今後起こりうるさらなる被ばくによって、累積被ばく量が健康に影響を与える可能性のある水準とならないように、住民帰還後にわたる除染目標の設定、除染作業の管理など適切な施策を実施するべきである。

提言3:
我が国の学術界は、発がん率、がん死亡率に関して放射線量に対する線量反応曲線を推定するための適切な疫学的研究を計画し、政府・自治体の協力の下実施し、その他基礎研究との統合的理解を図るとともに、その結果を速やかに住民の健康管理に反映させるべきである。

提言4:
東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う放射能汚染の実態と健康被害をより正確に把握し、適切な除染と健康被害防止策を講じるために、我が国の政府と学術界が、放射能健康影響評価の全貌を把握する領域横断的研究体制を協働して構築することを求める。

提言5:
政府は、事故を俯瞰するのに必要なデータ、健康影響の推定精度に大きな影響を与えるデータの迅速かつ着実な収集の仕組み、ならびに多くの研究者が利用・分析可能な標準化された様式でデータを提供する公的な仕組みを確立するべきである。
 
提言6:
放射線量に関わる測定やモデルに基づく推定に関わる機関・研究者は、放射線健康影響評価の基礎数値となる様々な測定結果・推定結果には、不確かさ情報を付随させて公表することが求められる。また、不確かさ情報に基づいて、測定結果や推定結果の精度管理あるいは改善を計画し実施する必要がある。

参考資料: 
 http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-22-t-shien4.pdf

福島市の女子高校生が突然倒れ、心筋梗塞でご逝去

  • 2012/04/02(月) 15:23:38

瓦礫立ち会いをした市長が、翌日、市役所内で突然倒れ、数日後心筋梗塞で他界された旨、昨日書いたばかりなので、連日書くことになる。市長の場合、年齢は73歳と高齢であり、かなりの率で起こりえる。

一方、今度は福島市の女子高校生が突然倒れ、心筋梗塞で他界されたとのインターネット上での情報があった。
我が国における15―19歳の年代における心臓に起因する突然死は10万人に1人なので、非常に珍しいことである。
どれくらいで起こるか試算してみる。福島市の15―19歳の年代の人口は1万5千人しかいない。従って、一人でも珍しいことであり、ニュースの価値がある。もし、仮に、7人の生徒に既に起こっていたとすれば、日本人の平均より50倍も確率が高いことになる。
このような、明日の日本を担う若者の死は悲惨な惨事といえよう。
メディア関係者は事実を隠ぺいするのでなく、事実を認めることが全ての出発点である。
事実を認めることが病因の解明につながり、防止対策をとることが可能となる。
このまま隠ぺいを続けたとしても時間を少し稼げる問題に過ぎない。
福島原発事故の報道姿勢について、世界はあきれているのが現状だ。インターネット時代に、犠牲者が増え続けても、世界に対して、隠し続けることが可能と信じているとしたら時代錯誤もはなはだしい。

臨床のことは知らないが、現状は、心臓死即、心筋梗塞と推定されることはまさかないだろうが、何故なら、心筋梗塞なら専門医でなくても、血液中のCPK(クレアチンホスホキナーゼ)から簡単に類推できる。冠動脈閉塞の他にも、刺激伝導系障害による完全房室ブロックなどの可能性もあるように想像した。

瓦礫焼却に立ち会いの日高市長ご逝去

  • 2012/04/01(日) 10:13:11

3月26日埼玉県日高市のセメント工場で、大沢幸夫日高市長が瓦礫焼却の立ち会いをされた。翌日市長室で倒れ、意識不明となり、31日亡くなった。死因は心筋梗塞とのことであった。

勿論、放射性物質の影響と関連があるとはいえないが、さりとて全く影響がないともいえない。

工場の従業員で健康を害したヒトはなかっただろうか?当日の焼却灰に含まれた放射線核種でセシウム以外どういうものがあっただろうか?
意識不明時の心電図波形はどうだったろうか?もし心停止していたならば、AED(自動体外式除細動器)は有効に作用しただろうか?血液または尿中のセシウム濃度は測定されただろうか?
いろいろな疑問が浮かんだが、恐らく何も情報は得られないであろうと想像した。

自分が心筋梗塞などで死亡した場合は心筋と血液中のセシウム濃度の測定を遺書に書いておこうと思った。

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