アメリカのキウォーニー原発は天然ガスに負け廃炉へ

  • 2012/10/23(火) 19:29:00

昨日のロイター電によれば
「米電力大手ドミニオン・リソーシズは来年、米ウィスコンシン州にあるキウォーニー原子力発電所を閉鎖する。米国のシェールガス生産が急増し、今年1─9月の電力価格は、昨年同期に較べ約30%価格が下落した。石炭火力発電所の閉鎖に続き、原子力業界にも影響が出始めている。より小規模で使用年数がより長いキウォーニー原発が最初の標的となった。
天然ガスとの競争に敗れて閉鎖に追い込まれる原発が今後さらに増えるとの見方が出ている。
キウォーニー原発は1974年に商業運転を開始。2011年4月から売りに出されていたが、2033年までライセンスが更新されたにもかかわらず、買い手は見つからなかった。ドミニオンはこの原発の廃炉に関連し、第3・四半期に税引後費用として2億8100万ドルを計上することを決めた。」
同社のトーマス・ファレル社長兼最高経営責任者(CEO)は「22日、廃炉決定について「純粋に経済性に基づくもの」と説明した。」

米国にある政策研究所(Institute for Policy Studies)のシニア・スカラー、ロバート・アルバレス氏は「安い天然ガスが豊富にあるために、老朽化した原発設備をもつ電力事業者は苦境に立たされている」と指摘。「原発の維持・管理コストが天然ガスに対する競争力をそぐケースがある。」と付け加えた。

米国では、安価な国内ガスの生産が急増して原発新設計画が中止されていたほか、東日本大震災に伴う福島原子力発電所の事故を受けた安全性への懸念で原子力への国民の期待がそがれた。

更にM5.0以上の地震が起こる割合は世界平均の100倍も高い日本で原子力発電所が50以上もできてしまった上に、実際に最大級の原発事故を起こした。福島原発事故の被ばく影響は水面下にあり、全貌がまったくわからない上、原発の事故処理が何十年かかるかもわからない。
それなのに経済界、政治家、地方自治体、メディアが反省もせず、いまだに原発推進に邁進するのがわからない。電力が自由化されてないことも大きいだろうが、日本を原子力村が完全に支配し、世界の動きとは完全に分離し、ガラバゴス島かしていることが根本原因と思う。

アメリカでは2ケ月くらい前に、核燃料の廃棄場が決まらなければ新規の原発を認可しないことになった。原子力産業は天然ガスに負け、完全な斜陽産業である。実際福島原発の生みの親だったGE社社は原子力産業部門を日本企業にに売った。他の原子力企業も日本に身売りをした。韓国も現与党の大統領候補以外は原発廃止を訴えている。インド、中国はトリウム型原子力発電に注力しだした。このまま軽水炉タイプにこだわっていたら、最悪のケースではババ抜きのババを受け取った後、引き渡す相手がいなくなり、多くの原子力発電の後始末を一手に引き受けざる得なくなる可能性さえ起こる。

というのは海外で原発事故が起きた場合には今回のように賠償金もほとんど払わないというわけにはいかないであろう。原発事故保険制度をきちんと整備して、補償範囲を限定しておかなければ、天文学的賠償請求を企業でなく国民の税金で払うことになる可能性もある。
というのは、現に福島原発による被害額が明確になる4,5年後に照準を合わせて、環太平洋20ヵ国による集団訴訟の下打ち合わせも始まっており、戦後の賠償額より多くなる可能性も高い。

「PC遠隔操作事件」は供述調書デッチ上げが問題だ

  • 2012/10/22(月) 11:49:55

今回の場合、警察の誤認逮捕はやむを得なかったと思う。
しかし、誤認逮捕された4人全員に、犯罪を立証する立派な供述調書ができていることが最大の問題だ。
この原因の解明と対策が取られない限り、警察庁長官が謝罪すれば済む問題ではない。

今回の場合、冤罪を作らせた後、犯人が自ら報道機関などに名乗り出たので助かったが、もし犯人が名乗り出なかったら、4人の前途ある人生が終えてしまっていたであろう。
そう考えると、恐ろしいことだ。どうしてそうなったか振り返ってみたい。

ひとりのヒトは同居していた女性も使うパソコンだったので、その女性が行った犯行と解釈し、身代わりになろうとしたとのことで動機があったので、除外して考える。

しかし、残された3人も逮捕された人が犯人でもないのに何故皆ウソの自白をしてしまうのか不思議だ。
中には真犯人しか知らない筈の詳細な動機を上申書に書いたヒトもいたそうだが、これは検察の誘導がなければ起こりえないことだ。このことから、誘導尋問が恒常的に行われていることが連想されるので問題だ。

複数のヒトが罪を認めれば軽くすると言われ、認めたそうだが、このやり方は冤罪を産みやすい設問であり、また事実を認め軽くなるなど論理的にありえないウソで誘導するのは問題だ。

またいつ解放されるかわからない長期の拘留制度にも問題がある。先進諸国では日本ほど軽犯罪でも長期拘留される国はあるだろうか?
長期拘留されると、ほとんどのヒトは正常時と違った心境に追い込まれると想像する。極めて例外的な事例が起きたのは、大阪地検の郵便不正事件の厚生労働省の村木厚子さんの場合で、無実であるのに自白しないという理由で実に160日以上も拘束された。一方、部下だった係長は罪を認めたので起訴後にすぐに保釈されたので対照的な取り扱いとなった。村木さんが頑張れたのは本人の強い意思や法律に対する知識や公務員であったこと、ご主人の理解、それから弁護士がついていたことなど多くの要因が重なりあった結果だと思う。
ほとんどのヒトは半年も拘留されたら、本人は失職し、家族の生計は立ち行かなくなり、無実でもウソをついてしまうように思う。
従って、警察が恣意的に長期拘留できる制度そのもに根本的な原因がある。
可視化の制度導入や、自白だけでなく証拠による裁判、拘留が3日を超えるならば弁護士立会いとか、早急に改革する必要があろう。村木裁判後でも相変わらずの取り調べが行われていることは非常に問題である。
⇒最後の長期拘留制度については村木事件をヒントに大幅に書き直しました(10/27)。

今回の事件は、警察も高度なPC操作の技術を持った署員を増やすかパソコンウイルス犯罪の一層の勉強が必要になったことを示唆する。

福島県民健康管理調査会の秘密会における新たな疑惑

  • 2012/10/20(土) 10:53:58

山下アドバイザーが昨年の初夏ごろに、ホールボディーカウンター(Whole Body Counter以下WBC)で測定するより尿検査が効率的で信頼性も高いと述べた記憶があった。ところが、その後、その話はいつのまにか立ち消えになっていることに気付いたので調べた。

ホールボディカンターは原発作業員の測定が主目的なので全国に分散して配置されており、福島に集めるわけにもいかず、また子供の測定を想定して作られてない。そのため検出限界(No Detection、以下ND)値も大人で放射性セシウムが300ベクレル/体(Body、以下B)くらいの値となり精度も落ちる。体重で割ると60kgの大人なら5ベクレル/kgとなるが、10kgの幼児では30ベクレル/kgとなり、更にND値があがる、即ち精度は落ちる。

一方、尿の検査では大人も子供もND値は同じであり、同位体研究所など多くの民間研究所が0.1ベクレル/リットル(以下L)で実施している。この値から全身被曝量を矢ケ崎克馬先生(参考資料1)が計算されたところ子供の場合、全身の約6ベクレルになるそうです。ということはWBC測定より尿測定は50倍も精度があがる。
多くの子供で精度良くできる尿検査は山下アドバイザーが当初の主張していたように良い指標になるであろう、なのになぜという疑問が深まった。

ところが福島県が先行調査として、飯館村や川俣町のような線量が非常に高い地域の住民を対象にした尿検査をやっていて、この場合のND値が、なんと13ベクレル/Lに設定されていた。何と民間の1/130の感度である。また子供の尿を1L集めるのが難しいということも書かれている。

この奇妙な現象をいろいろ考えたら、ND値は測定技術上の問題で決まるのに対し、福島の場合には子供のゼロ値の数を増やすために意図的に操作され、ND値が決められたと考えたら納得できることがわかった。
この時、検出感度に注目を集まると困るので、一般に対する説明用として子供の尿を1リットルも集めるのは難しいという説明が考えだされたと想像する。
まるで手品師のように関心をそらせ、誘導するように思える。このような決め方は、公開で決めることはできないが秘密会なら可能である。当然、議事録など書き残せる筈もないので証拠は一切出ない。証明できるのは当事者の良心でしかない。

尿量について放射性物質の場合は化学物質と異なり、いくら時間を掛けて集めても何ら測定値に影響を及ぼさないので数日分を集めることは可能である。
また放射性物質を全く含まない水で希釈するとか、測定時間を長くすることでも量の問題は解決できる。しかし上述の実態を仮に知らなくても、民間のND値が0.1ベクレル/Lであるのに、公的機関が13ベクレル/Lという数値を出したらメディアから疑問があがらなかったことは、彼らの能力が小学生レベル以下の能力しかないか、隠ぺいに加担したかのどちらかである。

火消し役は誰か分からないが、福島に放射能の影響はなかったという絶対的なシナリオがあり、それに従って動いているだけのような気がする。
この状況は太平洋戦争末期、青年団が一人一殺と竹やり訓練を始めた時、大人が加担していたことに通じる異常状態だ。

参考資料1
http://www.cadu-jp.org/data/yagasaki-file01.pdf#search='%E5%86%85%E9%83%A8%E8%A2%AB%E6%9B%9D%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6'

「福島県民健康管理調査」に対する公開質問状、その2

  • 2012/10/18(木) 18:43:07

《質問7》
 報道によれば、プライバシー保護のために、甲状腺がんを発症した方の情報は一切公表しない、とのことですが、県民の健康、公衆の予防衛生のために、プライバシーを犯さない範囲 (仮名や番号等で)の情報公開は必要であり可能です。子どもたちの健康を心配する親御様たちにとっては、もっとも必要な情報です。次の諸点について、情報公開を早急に行ってください。

A 治療
 すでに手術を受けられたのでしょうか。 予後は良好なのですか。
B 治療費の負担
 この方の治療費は全額「県民健康管理調査基金」で賄われているのでしょうか、それとも、全額保険適用でしょうか、あるいは一部自己負担ですか。
(良性腫瘍として「通常治療」を受けている方についても、お答えください)
C 年齢層と性別
 年齢層と性別を教えてください。チェルノイブイリで特徴付けられた「小児甲状腺がん」なのかどうかの判定要素として重要です。山下教授によれば、チェルノイブイリでは被曝0〜5歳の子どもたちの多発が強調されています。
D 被曝線量
 居住地の市町村名が公開できないのであれば、検討委員会が調査をおこなった、外部被曝線量と内部被曝線量の推定計算値を公開してください。もし、それらの推定値が相対的に低い地域のものであれば、放射線と甲状腺がんとの関連は薄くなります。
E 甲状腺がんの分類
 山下教授の報告によれば、チェルノブイリでの小児甲状腺がんの特徴は、通常ならば進行が遅く良性のものが多い甲状腺乳頭のがんが、そこでは進行の早い悪性のものとなっていた、ということです。今回の患者さんが、甲状腺がんのどの種類(註13参照)なのかは、重要な判断材料なので教えて下さい。

《質問8》
 甲状腺良性腫瘍と甲状腺機能障害についても情報開示ください。
 今回、良性腫瘍として数えられた患者さんも27 名おられます。その病態別の詳細や数値も情報公開なさるようお願いします。悪性腫瘍との診断上の決定的差異はどこにあるのでしょうか。

 (山下教授のチェルノブイリ診療では、がんや腫瘍以外の甲状腺機能障害も鑑別診断しています。貴検討委員会の今回までの発表では、その点の検査結果が何一つ発表されていません。これは私ども内部被曝問題研究会に寄せられる親御さんたちの、貴検討委員会にたいする不信感の大きな要因です。)

《質問9》
 これまでの対象者数についての確認です。次の読み取りでよろしいでしょうか。
 これらの私どもの読み取りに間違いがありましたらご訂正ください。

平成23 年8月31日現在
◎ 23 年度調査38,114 人(緊急的に検査しなくてはならなかった双葉郡8 町村、伊達市、
南相馬市、田村市、川俣町、飯舘村)
そのうち186 人が2次検査を必要とするB 判定。(23、24 年度計425 人)
186 人のうち60 人*が2 次検査を受けた。
60 人*のうち22 人が2 次検査続行中。
60 人*のうち38 人**が2次検査を終了。
38 人**のうち10 人が経過観察必要なし。
38 人**のうち14 人が良性腫瘍だとして穿刺細胞診せず受診。6 ヶ月から1 年間で再検査。
38 人**のうち14 人***が穿刺細胞診を受診。
14 人***のうち1 人が甲状腺がんだとわかった。
残りの13 人は良性腫瘍だと認定された。
都合27 名が良性腫瘍だと認定された。
◎ 24 年度調査42,060 人(主に福島市)
そのうち239 人が2次検査を必要とするB 判定。
239 人のうち22 人が2次検査を受診済み。


《質問10》
 基本調査「外部被ばく線量推計結果」についてお尋ねします。外部被ばく線量の推計には
(1) 間線量率など、どこからの測定データ値を使用していますか。
(2) 蔽効果率など、どのようなパラメータ値を使用していますか。
(3) どのような計算式を使っていますか。
 計算ソフト名だけでは中身を理解できませんので、恐れ入りますが具体的に入力データ元をお示しください。また、計算の結果だけではなくその途中を納得するため、想定例(例えば福島市の或る地区の住民)についての、計算の実際例を御説明くだされば、大変分かりやすく助かります。

 
《質問11》
 福島県の子どもたちの症例が放射線被曝によるものかどうかを判定する際に重要な要件となる、他県での対照群調査についてお尋ねします。「甲状腺結節性疾患有所見率等調査事業」(註14参照)といわれるものです。福島県以外の3 箇所で18 歳以下計4,500 人の甲状腺の結節データを採集して、福島県民健康管理調査の結果と比較する、という重要な調査だと伺っています。「甲状腺結節性疾患有所見率等調査事業」は、一般競争入札でその仕事を請負う団体を決定したと報道されました。これらに関して次の項目をお尋ね致します。

11-1 入札の結果、落札したのは、鈴木眞一教授が甲状腺部門の委員長を務めていらっしゃる「日本乳腺甲状腺超音波診断会議」であることに間違いありませんか。
11-2 一般競争入札には、その他何社(者)が競争相手となったのでしょうか。落札金額はいかほどだったしょうか
11-3 「甲状腺結節性疾患有所見率等調査事業」の入札先、納入先は、厚生労働省関係ではなく、経済産業省資源エネルギー庁の「電気・ガス事業部、原子力立地・核燃料サイクル産業課」であることに、間違いありませんか。
11-4 「甲状腺結節性疾患有所見率等調査事業」の予算執行者が、「経済産業省電気・ガス事業部原子力立地・核燃料サイクル産業課」だとすれば、福島で日々行われている健康調査に対する国からの助成金、その予算執行者も同課もしくはその周辺ではないかと推定します。福島県民健康管理調査の国庫助成金の担当官庁部課名を教えてください。
11-5 診断基準や調査の手順、使用機器など、標準知識を当研究会としても理解したいと思います。福島県以外の調査である「甲状腺結節性疾患有所見率等調査事業」の実施計画内容、入札時の「提案書」を情報開示ください。


 私ども内部被曝問題研究会は、今回、甲状腺がんと分かった患者さんが、福島第一原発の放射能を原因とするものであるかどうか、1個の事例によって分かるものではないと考えています。
 しかしながら、貴検討委員会の発表記事を読ませていただくと、否定材料が乏しいだけでなく、否定材料としてあげられているものが、山下教授のチェルノブイリ診療報告やチェルノブイリ現地の医師たちが発表した科学的報告に、悉く乖離するものです。否定なさることが却って、疑いを増す結果となっていることを申し上げないわけにはまいりません。
 山下俊一教授、菅谷昭医師などチェルノブイリで治療に当たった医師を除いて、わが国の医学界では、放射線による小児の甲状腺がんの治療を直接行った方はごくわずかだと思います。ぜひ貴検討委員会におかれましても、判定は、チェルノブイリでの経験をふまえて行い、今後の被曝影響防護の診療と治療に生かしていただきたいとおもいます。
 「チェルノブイリの教訓を生かして」という建前を忠実に履行してくださるようお願いして結びとさせていただきます。

註1 ⇒ 別添「各紙の報道」参照
註2 平成12 年2 月29 日原子力委員会に提出した「被爆体験を踏まえた我が国の役割」
 山下俊一「チェルノブイリ原発事故後の健康問題」の表2
 http://www.aec.go.jp/jicst/NC/tyoki/bunka5/siryo5/siryo42.htm
註3 ステパーノヴァ博士の講演スライド
 http://src-hokudai-ac.jp/ieda/files/stepanovamaterial.pdf
 マリコ博士の講演スライド
 http://src-hokudai-ac.jp/ieda/files/Malkoppt201204.pdf
 両博士の講演映像
 http://www.eizoudocument.com/0638DVD003.html
註4 上記註2 「被爆体験を踏まえた我が国の役割」の記述
 「甲状腺検診で問題になるのは、発見されたがん甲状腺結節や異常甲状腺エコー所見の取り扱いである。これら結節患者にエコーガイド下吸引針生検と細胞診を試みると7 %に甲状腺がん(大部分は乳頭がん)が発見される。すでにこれらの患者の半数以上が周辺リンパ節転移を認め、術後のヨード131治療を必要としている。中には肺などへの遠隔転移も認められている。」
註5 チェルノブイリ原発事故被災児の検診成績II
 “チェルノブイリ笹川医療協力プロジェクト1991-1996”より
 山下俊一*/柴田義貞*/星正治*/藤村欣吾*/ほか**3 成績より
 http://nippon.zaidan.info/seikabutsu/1999/00198/contents/012.htm
 「日本や欧米のデータでは小児甲状腺がんは極めてまれで、100 万人に対して年間1〜2 名といわれているが、その大半は思春期以降で、10 歳未満の甲状腺がんをみることはまずない。
 しかし、本プロジェクトを開始した1991年5月には、既に6 歳、すなわち事故当時の年齢が1 歳以下の小児に頸部リンパ節が腫張した甲状腺がんが発見された。その後、いかに早く小さな結節をみつけても、がんは周囲のリンパ節に既に転移していることが多く、早期に適切な診断が必要であると同時に、外科治療や術後のアイソトープ治療の必要性が痛感された。」
註6 甲状腺腫瘍診療ガイドライン2010 年版 
 http://jsco-cpg.jp/item/20/index.html
 の中のhttp://jsco-cpg.jp/guideline/20.html#cq1
註7 鈴木眞一「福島県県民健康管理調査における甲状腺超音波検査について」
 第2 回原子力被災者等との健康についてのコミュニケーションにかかる有識者懇談会 平成24年7月19日(木)
 http://www.env.go.jp/jishin/rmp/conf-health/b02-mat02.pdf
註8 甲状腺腫瘍診療ガイドライン2010年版 日本内分泌外科学会, 日本甲状腺外科学会
 日本癌治療学会のWEB Site に掲載
 http://jsco-cpg.jp/item/20/index.html
註9 ⇒ 別添2「トリミングによる内容改竄はあきらか」参照
註10 註5と同じ報告書の目次
 http://nippon.zaidan.info/seikabutsu/1999/00198/mokuji.htm
註11 3月末に行われた児童の甲状腺検査について
 http://fukurou.txt-nifty.com/fukurou/files/koujyousen.pdf
註12 NHK-ETV 特集「ネットワークでつくる放射能汚染地図5 埋もれた初期被ばくを追え」
註13 国立がんセンターWEB サイト 甲状腺がん
 http://www.jfcr.or.jp/cancer/type/thyroid.html
註14 入札公告「平成24年度原子力災害影響調査等事業(甲状腺結節性疾患有所見率等調査事業)」
 http://www.enecho.meti.go.jp/info/tender/tenddata/1208/120810b/120810b.htm

「福島県民健康管理調査」に対する公開質問状、その1

  • 2012/10/18(木) 10:41:41

公開質問状ですので各メディアにも発信されている筈だが一般にはあまり知られていないかと危惧し、甲状腺被ばくは緊急問題だけに、できるだけ多くの人に知っていただきたく今回は私見(甲状腺被ばく問題については既に何回もブログに書いています)を書かず、紹介だけします。

質問者は「市民と科学者の内部被曝問題研究会(略称:内部被曝問題研)の沢田昭二理事長で、元物理学教授です。

福島原発事故後の放射線被ばく問題については福島医大を中心に検討が行われているが、放射線被ばく量の測定から、小児甲状腺の観察から判定までさまざまな問題をかかえているように思われる。
問題点があれば質問をしていくのが当然であるが、現状は、メディアは前頭前野(frontal cortex frontal area)の機能(ゴリラと人間の違いが大きいところ)を消失した状態に陥っている。
このような状況の中で、今回の質問は時宜を得たものであり、高く評価し、皆様に是非お読みいただきたく思うしだいです。

今回の質問に対する回答も今月25日までなので、回答を入手次第当ブログに掲載します。

<公開質問状 −「福島県民健康管理調査」9月11日の記者会見について
2012 年10 月15日
市民と科学者の内部被曝問題研究会(略称:内部被曝問題研)
理事長 沢田昭二
 
去る9 月11 日に行われた福島県民健康管理調査検討委員会(以下「検討委員会」と略す)の記者会見の様子は、国民にはその夜のテレビや翌12 日の新聞報道で伝えられました。「甲状腺がん1 人確認」という報道は、福島第一原発の事故で放出された放射性物質による健康影響を心配する人々、とくに幼いお子さんをもつ親御さんには重く受け止められています。

 それにもかかわらず報道は「放射線被曝とは関係ない」の一点に終始しております。もっとも重要なことは、いま行なわれている子どもたちの甲状腺検査が、チェルノブイリを教訓として、原発事故による放射線被曝から防護する基本姿勢に基づいて行なわれていないのではないか、という根本的な問題です。

 これに鑑みまして下記の本質問状を、主に記者会見の応答をなさり、また関連した講演を各地でなさっておられます貴鈴木眞一教授宛てに送らせていただきました。質問内容は、教授の御発言に疑問を抱いた当内部被曝問題研究会の一般会員の発議に基づいています。10月下旬に当会の理事会を開催し報告致したく、誠にかってながら10 月25日までにお返事をくだされたくお願い申し上げます。なお「質問」は質問及びこれに関するお願いです。
              記

《質問1》
 報道によりますと、今回確認された甲状腺がんの患者さんが放射線被曝とは関係ないとされる理由として、教授は「甲状腺がんは4 年以内に発症することはない」と発言しておられます。しかしそれは、山下俊一副学長が平成12年に原子力委員会に提出したチェルノブイリ医療報告(註2参照)にあい反すると思います。いかがでしょうか。

 山下教授が呈示したベラルーシの国家がん登録機関のデータでは、ゴメリ州の小児甲状腺がん発症数は、事故前年1985 年が1例、事故の年1986 年が1例、事故翌年の1987 年が4例、2年後の1988 年が3例、3年後の1989 年が5例、4年後の1990 年が15 例、5年後の1991 年が47 例・・・・、となっています。
 これは、「被曝から4年以内に発症することはない」ということを意味せず、「被曝から4〜5年後に急上昇期を迎えた」ことを示すものです。1〜3年後の数値は助走的な増加を示しているのかもしれません。

 なお、小児甲状腺がんの発症につきましては、当内部被曝問題研が共催者として招請したウクライナ放射線医学研究センターの小児科医エフゲーニヤ・ステパーノヴァ博士およびベラルーシ国立科学アカデミー・エネルギー研究所のミハイル・マリコ博士の詳細な講演録があり、山下副学長の報告を裏付けていますので、そちらも参考ください(註3参照)

《質問2》
 報道によりますと、甲状腺がんの進行はきわめてゆっくりしており、発病には5 年から10 年かかる、と教授は主張しています。これは、ヨウ素131被曝による小児の甲状腺がんの特徴を、通常平時のおとなの甲状腺がんの特徴にすりかえられているのではないでしょうか。また検討委員会座長である山下副学長によるチェルノブイリ診療報告書を、いかなる理由で否定されたのでしょうか。こ2点についてお答えください。

 (山下教授のチェルノブイリ報告には、放射性ヨウ素被曝による小児の甲状腺がんについては、通常時のおとなの甲状腺がんとは違って進行が早く悪性度も高いことが強調されており、1991 年からチェルノブイリに派遣された山下教授の診断で、がんと分かったときにはすでに肺やリンパ節に転移している子どもが多かったとも記されています(註4と註5参照)。また、「甲状腺腫瘍治療ガイドライン2010版」(註6)においても、放射線は甲状腺がん発症のAランクのリスクとして記されています。)

《質問3》
 報道によれば、9月11日は14:00からの第8回福島県県民健康管理調査検討委員会に先立って、別の場所で秘密の準備会が開かれたとされています。
 「準備会では調査結果に対する見解をすり合わせ『がん発生と原発事故に因果関係は
ない』ことなどを共通認識とした上で、本会合の検討委でのやりとりを事前に打ち合わせていた。出席者には準備会の存在を外部に漏らさぬよう口止めもしていた」(毎日新聞9月3日朝刊社会面)
 教授も甲状腺がんの専門家オブザーバーとして、この準備会に出席されたと思います。「がん発生と原発事故に因果関係はない」ことについて、 教授はそこで、専門家としてどのような発言をなさいましたか。他の委員とのやり取りも含めて詳細をお答えください。また、 その場の諒解事項はどのようなものだったのでしょうか。

《質問4》
 2012年7月19日に開催された環境省の有識者懇談会において、教授は「小児甲状腺癌は成人と比較して長期の生命予後は良好である。そのなかで小児乳頭癌は診断時に進行した癌であるようにみえても、適切な治療によって良好な長期の生命予後が得られる」と講演しています(註7参照)。
これはどのような症例に基づくものなのでしょうか。症例もしくは統計を具体的に記した文献はありませんでしょうか。
また「適切な治療」は、小児が手術によって甲状腺を失うこと及び遠隔転移がある場合はヨウ素131を投与され、再び強度の内部被曝を受ける事を意味するのではありませんか。
「長期の生命予後は良好」とは、生命を絶たれることは少ないという意味であって、 ホルモンバランスの崩れから心身の発達に影響を受ける恐れがあることなど、人間としての苦痛を埒外としているのではありませんか。
これらの3点についてお答えください。

《質問5》
 また「小児甲状腺癌は成人と比較して長期の生命予後は良好である。そのなかで小児乳頭癌は診断時に進行した癌であるようにみえても、適切な治療によって良好な長期の生命予後が得られる」という表現は、確かに、甲状腺腫瘍診療ガイドライン2010 年版(註8)にクリニカル・アンサーとして記述された権威付けされたものです。
 しかしその【背景・目的】を読むと、「また、X 線照射後,チェルノブイリ原発事故後の甲状腺癌,あるいは特別な遺伝性疾患(家族性大腸ポリポーシス,Cowden 病など)による小児期の甲状腺癌は除くことにする」との但し書きがあります。
 「X 線照射後,チェルノブイリ原発事故後の甲状腺癌」は当てはまらないという但し書きを、教授はなぜ無視したのでしょうか。
 但し書きを無視し、たとえ福島原発事故の小児甲状腺がんであっても「予後良好」だ……と聞く人に思わせたとすれば、詭計ではないでしょうか。(註9参照) 

《質問6》
 報道によれば、福島の子どもの甲状腺被曝量はチェルノブイリの場合に比べて圧倒的に少ないと記者会見では強調しています。それはいかなる根拠に基づくものでしょうか。具体的な典拠に基づく数値によって、ご説明ください。

 (チェルノブイリについては山下教授の報告書(註10参照)でも、被曝線量と発症数との相関は示されていません。ベラルーシのミハイル・マリコ博士の講演(註3参照)ではベラルーシの1人当たりの甲状腺被曝線量は127 ミリグレイ、ベラルーシ住民から求めた被曝線量1シーベルト当たりの甲状腺がんの過剰絶対リスクは 4.4 (104/人年シーベルト) 95%信頼区間は(4.2, 4.6)となっています。
 一方、福島でのヨウ素131の甲状腺被曝量は、放射能プルーム通過後2週間経って行われたデータがあるだけです(註11と註12の報道)。)>

⇒午前中URLを書きましたが、念のため今開こうとしたら、私のパソコンでは開かないので、質問7以降は同じタイトルのその2に書きました。
                    

| HOME |