トモダチ作戦に従軍した米艦隊員の訴状―紹介

  • 2013/08/19(月) 06:34:39

夜中に目覚め、眠れぬままいろいろ考えていた。福島県近くのゴルフ場に落下した放射性物質はフクイチ由来しか考えられないのに司法判断は無主物であると判決した。原発事故責任者を問う裁判も恐らく何も問われないだろう。やはり日本国内の司法権の及ばないアメリカの判決に期待するしかないと想像し、米艦ロナルド・レーガン乗組員らの損害賠償請求裁判の状況を調べた。そしたら「銀河系宇宙人のブログ」にサンディエゴ地裁への訴訟の翻訳文(参考資料1)が見つかり、読んでとても参考になったので紹介するしだいです。

本訴状を一読して強く印象に残った点だけ略記します。
本訴状の対象は東電ですが、その社員、その代理人および従業員も記載されていた。
被告は福島原発の真実の状態に関して、不正確で誤解を招く情報を故意に、かつ責任を放棄するごとくアメリカ海軍省を含む社会全体に広めた。
東電は低線量被ばくであってもヒトの健康に危害があること、また実際の放射線量を正確に報告することが重要であることを知っていた。
 
<この記述に関連して米国の環境省(EPA)は原子力による放射線をヒトの発がん物資と分類していること。被ばく量が100mSvを超えると癌発生リスクが激増することはほぼ世界的に認められている。がん発生リスクにしきい値(閾値)はなく100mSv以下でも発生する。

がん以外にも「低レベル放射能は有害。多くの放射線研究の多岐にわたる研究の結果、生命に危害はないとする閾値は存在しないことが明らかになった(参考資料2,3,4)>

司法判断がどうなるか予測できないが、少なくとも妊婦や赤ん坊などについてはかなり低い値が採用される可能性は大きいと思う。

現在日本政府、自治体、専門家、メディアはタバコなどの比較から低線量被ばくをほとんど問題にしてないが、本判決によっては一挙に変わる可能性があろう。
更に反原発運動より強いインパクトを及ぼし、原子力発電所廃止につながるであろう。何故なら、これら賠償金の支払いにより電気代が何倍にも上がれば代替エネルギーが圧倒的に安価となり、変わらざるを得ないであろう。
また日本のみならず、フランスのような原子力依存度の高い国にも多大な影響を与えるであろう。 

なお本訴訟文では2012年12月の訴状なので8名ですが、2013年3月に他の26名が二次訴訟を行った。更に現在準備中のヒトを加えれば100名を超えるとのことである。

参考資料
1)  http://ginga-uchuu.cocolog-nifty.com/blog/2013/08/post-d326.html
2)  http://rense.com/general95/no-safe-dose.htm
3)  http://www.sc.edu/newsarticle.php?nid=5214#.UKjmkvma6X
4)  http://www.washingtonsblog.com/2012/11/mega-review-of-42-studies-even-the-lowest-level-radiation-is-damaging-to-human-health.html

甲状腺癌は胎児性細胞から直接発生する説が世界的に有力

  • 2013/08/14(水) 16:13:43

涼しい地域から帰国したばかりなのでこの暑さは堪えるが、気になっていた甲状腺癌二次検査の進捗状況を早速調べた。

何故気になったかというと郡山市から442人の二次検査該当者を出しながら二次検査の修了者はたった5人しかいなかった。しかも二次検査終了者5人から陽性診断者が2人出た。 即ち、率では4割にもなる。少数例からの類推なので誤差は大きくなるが、この比率でもし甲状腺癌が発生すれば、郡山市だけから約180人に発生するので、大変な事態だ。

しかし、5月27日から全く進展がないことがわかった。検査が終了したのに発表されなかっただろうか?それとも検査自身が大幅に遅れているのだろうか?
しかし、その後の報告がないのでエビデンスに基づかないコメントはさける。

それで学問上の面から最近の動向を調べる。甲状腺がんの発生メカニズムは阪大の高野医師が(このブログのリンク、トップ)13年前に世界で初めて唱えた説(参考資料1)が、世界的にも主流の説(参考資料2、3)になりつつあるので紹介する次第です。

本説については1年位前私もちょっと書いたが、今回は詳しく紹介します。

正常細胞が癌化しただけでは正常細胞は影響を受けにくいが正常細胞への浸潤性や独自の血管網を構築できるような性質を獲得できると正常細胞が癌細胞に置き換わるようになる、これが従来から言われてきた多段階説である。

しかし、この説では甲状腺のように細胞がほとんど再生・増殖しない臓器からの癌の発生を説明できない。
これに対して「癌は分化した細胞分化が脱分化するのではなく、発生途上で出現する未分化な芽細胞が分化することなく遺残したものから発生する」とする「芽細胞発癌説(fetal cell carcinogenesis)」は有力になった。

更に、この理論で予測通り癌幹細胞(Cancer Stem Cell)が同定されたので世界的に広く認知されることになった。

更に高野らは
●穿刺吸引核酸診断法を開発した
(Aspiration Biopsy Nucleic Acid Diagnosis, ABND)
甲状腺腫瘍の術前診断法として、腫瘍を穿刺した検体より核酸を抽出して解析することより良悪を判定する穿刺吸引核酸診断法(ABND)を世界で初めて開発した。

参考資料
1. http://www.med.osaka-u.ac.jp/pub/labo/www/CRT/GCC.htm
2.甲状腺癌の芽細胞発癌の概念
  Takano T and Amino N: Endocrine J 49, pp97-107, 2002
3.癌は胎児性細胞から直接発生する
Takano T and Yamada H Trefoil Factor 3 (TFF3): A promising indicator for diagnosing thyroid follicular carcinoma. Endocr J 56: 9-16, 2009 http://www.jstage.jst.go.jp/article/endocrj/56/1/9/_pdf.)

4、Nature Reviews Endocrinologyで甲状腺癌の新しい発癌モデルとして紹介
Lin RY, Thyroid Cancer Stem Cell, 7:609, 2011

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